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M&A用語集

WORDS

表明保証条項とは

表明保証条項とは、契約当事者や契約内容に関する事実に関し、事実が虚偽でないかつ正確であることを表明し、保証するものです。
条項の内容に違反した場合、買い手企業は売り手企業に責任追及として損害賠償を請求したり、契約を解除したりすることが可能となります。

表明保証条項の解説

M&Aを実施する際、買い手はデューデリジェンスを行います。
ところが、必要となる時間やコストを考慮すると、対象となる事業内容等に関する調査には限界があります。
また、提供された情報に虚偽が含まれている可能性も否定できません。
そのため、M&Aの当事者が取引相手に提示した情報が真実であることを表明及び保証させることが必要となります。
また、想定していない事態が起こった場合のリスク負担や、
提示された情報が事実に反する場合に生じた損害を補償するための取り決めも事前に行う必要があるのです。
M&Aに関するトラブルは、この条項を巡っての訴訟紛争が多いため、特に注意が必要です。
従来は欧米を中心に広く採用されていましたが、近年日本でも契約実務に取り入れられるようになってきました。
英語ではRepresentations And Warrantiesと表記され、レップアンドワランティと呼ばれることもあります。

表明保証条項が認められないケース

デューデリジェンスの不足

買い手側のデューデリジェンス不足だと判断された場合、損害賠償が認められないケースがあります。
例えば、提示された資料から推察されるようなリスクに対する調査を怠った場合です。
違反を確実に相手に請求するためには、専門家による入念なデューデリジェンスが必要です。

違反の程度が軽い場合

具体的な損失を被らなければ、損害賠償を請求できない可能性があります。
例えば、買い手企業が偶発債務によって追加の支払いをしなくてはならなくなった場合などが挙げられます。

サンドバッキング条項

サンドバッキング条項とは、買い手側が、売り手側による表明保証違反を知っていながら契約を締結した場合、
事後的に違反に基づき補償を請求できることを取り決めた規定です。
買い手が多大なコストをかけてデューデリジェンスを実施し表明保証違反の事実を発見した場合、
売り手企業に対しての責任追及を禁止することは合理的ではないとの考えが広まりました。
また、保証違反を発見したとしても、その詳細や影響力は容易に判明するものではありません。
そのため、事業承継のM&Aにおいては、規定されることが多くなっています。

要点のおさらい

  • 表明保証条項とは、一定の事実が真実であることを表明し、その表明を保証する取り決めを指します。
  • 買い手側のデューデリジェンス不足と判断された場合や、違反の程度が軽い場合は、損害賠償が認められないケースも存在します。
  • 表明保証条項の穴を埋めるために、サンドバッキング条項が規定されることもあります。

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