シナジー効果とは、一言で言うと相乗効果のことです。
企業がM&Aを実施する場合に、経営資源を活用したり、異なる事業を掛け合わせたりすることで付加価値を生み出すことを指します。
単なる利益の合計ではなく、それを上回る大きな利益を生み出す点がポイントです。
シナジー効果の解説
シナジー効果とは、1+1=2ではなく、1+1=3以上となる効果を生み出すことです。
安定した財務基盤を固めることに繋がるため、企業を持続的に成長させる効果も期待できます。
事業面もしくは財務面でのシナジーが代表的です。
例えば、同じ業種同士の企業がM&Aを実施し重複している資源や投資を削減することが挙げられます。
販売会社と製造会社のM&Aにより互いを補完する関係を築くことも該当します。
シナジー効果が追求されるようになった背景には、社会の変化があります。
経営者の重大な使命の一つは企業価値を向上させることであり、それを数値で示すのが株価指数です。
現代社会においてはグローバル化が進みビジネスが複雑化しています。
会社の方向性を決定し、収益を生む軸となる事業を手がけることが株価市場において求められます。
また、消費者のニーズが多様化したことを背景に、企業は競争力を向上させる必要に迫られています。
この結果、シナジー効果を期待できるM&Aや事業の多角化に積極的に取り組む企業が増加傾向にあるのです。
シナジー効果の事例
同業種でのシナジーを狙った例
注文住宅を展開する会社Aは、首都圏を中心に鉄筋コンクリート住宅を販売する会社Bを株式の取得によりグループ化しました。
この結果、会社Aはあらゆる価格帯と首都圏の全域での販売体制を整備しました。
会社Bは会社Aの販売や集客の戦略を取り入れ、売り上げを伸ばすことに加え、物流の共通化によるコスト削減を見込めます。
シナジーを目的にスポンサー契約をした例
九州エリアに拠点を構える不動産会社Cは、長崎県でスーパーマーケットを展開する会社Dとスポンサー契約を結びました。
会社Cは、既存の事業に食と流通の事業を加えることで、シナジー効果を発揮できることを期待しています。
アナジー効果との違い
アナジー効果とは互いにマイナスの効果を生むことです。
シナジー効果の対となる意味を持ちます。
シナジー効果を期待して実施した戦略が、結果的に期待通りの効果を得られなかったケースで用いられる言葉です。
要点のおさらい
- シナジー効果とは相乗効果という意味で、企業や事業同士の掛け合わせによって付加価値を生み出すことです。
- 同業種でのシナジーを期待したM&Aや、異業種を取り入れるためのスポンサー契約などの実例が存在します。
- アナジー効果とは互いにマイナス効果を生み出すことで、シナジー効果の反対の意味を持つ言葉です。