企業再生支援機構とは、債務に苦しむ中堅事業もしくは中小企業の支援を目的として設立された官民ファンドのことを指します。
法改正により、2013年に地域経済活性化支援機構と商号が変更され、現在では地域経済を重視した再生支援を実施しています。
企業再生支援機構の解説
2000年代後半における地域経済の低迷を背景として、2009年に官民共同出資により設立された認可法人の株式会社です。
Enterprise Turnaround Initiative Corporation of Japanの頭文字を取って、ETICと呼ばれることもあります。
経営不振に陥った企業の債務を整理するとともに、政府の保証付きで借り入れた資金を活用して出資もしくは融資を行い、再生を支援することが主な役割です。
日本航空やグランビスタといった名だたる大企業の事業再生に取り組んだ実績があります。
その後、法改正に伴って地域経済活性化支援機構(REVIC)に商号を変更しました。
法的整理との違い
対象債権者
法的整理では、全ての債権者が対象とされ、一般債権者も含まれます。
一方、機構の事業再生では、原則として金融債権者のみを対象とします。
公表義務の有無
法的整理では再生の実施を公表する義務があります。
機構による事業再生は、大企業を除くと公表義務が定められていません。
周囲に知られることなく事業再生を実施できるのです。
計画の成立条件
法的整理では、多数決により計画の成立が決定されますが、機構の事業再生では、基本的に全員の同意が求められます。
企業再生支援機構を利用する際の注意点
支援対象となるための条件が厳しい
全ての企業が支援を受けられるわけではありません。
有用な経営資源を有していること、事業再生の見込みがあること、莫大な債務を抱えていることなど多くの条件を満たす必要があります。
さらに、支援決定から五年以内に機構が定める「生産性向上基準」や「財務健全化基準」をクリアすることが必須とされています。
要点のおさらい
- 企業再生支援機構とは、中小企業の再生支援を目的として設立された官民ファンドのことです。
- 対象債権者が金融債権者のみであること、公表義務がないこと、計画成立に全員の同意が必要であることが法的整理との違いです。
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活用すれば事業再生を円滑に行えますが、支援対象となるための条件が厳しいことには注意が必要です。