貸借対照表とは、企業の財務状況を資産、負債、純資産の三つの観点からまとめたものです。
バランスシートと呼ばれ、BSと表記されることもあります。
対象企業における資金の調達方法と運用の仕方を把握できる表となっており、企業の評価に利用されます。
貸借対照表の解説
貸借対照表を使えば、企業が資金をどのように調達したのか、どのように活用しているのかを読み取れます。
企業の財務状況を表す財務諸表のうち、特に代表的な財務三表の一つです。
一般的には、左側には企業自体が有する資産である総資産、右側には負債と純資産を合わせた総資本が記載されます。
企業が持つ資産は、負債と純資産を合わせたものです。
そのため、左側の合計額と右側の合計額は必ず一致する決まりになっています。
貸借対照表で確認すべきポイント
自己資本比率
企業の純粋な資金を純資産、負債なども含めた企業のあらゆる資金を総資産と呼びます。
純資産が、総資産に対してどれだけの割合を占めているかを示したものです。
以下の式で求めます。
自己資本比率=純資産÷総資産×100
この値が高ければ高いほど、企業の財政が安定していると見なされる仕組みです。
例えば、純資産が3億円、総資産が6億円の企業であれば、
3億円÷6億円×100=0.5×100=50となり、自己資本比率は50%と分かります。
一般的に、50%を超えていれば優良企業、10%を下回っていると倒産の危険性があると言われています。
流動比率
すぐに現金に換えられる資産を流動資産、短期間で返済しなければならない負債を流動負債と呼びます。
流動負債が流動資産に対して占める割合のことで、企業の支払う能力を示したものと言えます。
以下の式で求められます。
流動比率=流動資産÷流動負債×100
この値が低いほど、短期間で現金化できる資産に対して負債が多いことになり、企業の支払い能力が低いと見なされるのです。
130〜150パーセントが目安と言われます。
貸借対照表と損益計算書の違い
同じく財務三表の一つである損益計算書は、企業の収益性を示す指標です。
P/Lと表記されることもあります。
企業が一定の期間でどれだけの利益を上げたのかが分かります。
貸借対照表は、設立からその時点までのスパンで、企業が有する資産の残高を表しますが、損益計算書は1年間における企業の収支の流れを示しています。
要点のおさらい
- 貸借対照表とは、企業が資金をどのように調達し、どのように運用しているかを読み取れる表で、企業を評価するために用いられます。
- 自己資本比率と流動比率に注目することで、企業の財政状況を把握できます。
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貸借対照表は企業の有する財産を、損益計算書は企業の収支の流れを示します。