PBRとは、Price Book-value Ratioの略で、株価純資産倍率と訳されます。
主に株式市場において、その企業の純資産に対する株価の価値を判断するために利用される指標で、一株あたりに純資産の何倍の値段が付けられているかを示します。
PBRが低いと割安、高いと割高と判断されます。
PBRの解説
PBRは、現在の株価がその企業の資産価値に対して割安か割高かを示す指標です。
例えばA社の一株あたり純資産が1,000円だとします。
この時点で会社が解散すると、株主が手にするのは一株あたり1,000円です。
この場合のPBRは1倍です。
その後A社の株価が700円に下がるとPBRは0.7倍になります。
PBRは基本的に1を下回ることはないため、1以下であれば買い時だと言われます。
ただし、PBRが異常に低い場合やPBRが低い状態が続く場合は、その企業の財務状況が悪く株価が下がっている可能性や、
将来性がない企業と判断されている可能性があるので注意が必要です。
また、スタートアップやベンチャー企業は大企業と比べると純資産が少ないため、PBRが高くなりやすいと言えます。
そのため、PBRは同じ業種や競合会社で比較するのが基本です。
PBRの計算方法
PBRは以下の計算式で算出できます。PBR(倍)=株価÷一株あたりの純資産(BPS)
例えば株価が3300円、一株あたりの純資産が1100円の場合、3300÷1100=3となり、PBRは3です。
また、この計算式で用いる一株あたりの純資産(BPS)は、企業の安定性を測る指標で、純資産÷発行済み株式数で求められます。
PBRとPERの違い
PBRとよく間違われる言葉として、PERが挙げられます。
株の価値を計る指標である点は共通しています。
PBRは株価と一株あたりの純資産を元に算出されますが、PERは株価と一株あたりの純利益を元に算出されます。
簡単に言うと、純資産で比べるか、純利益で比べるかの違いです。
PBRは短期的な株価変動を捉えにくいというデメリットがあります。
一方で、PERは純利益を参考にするため、直近の企業の業績を反映しやすいと言えます。
PBRとPERを両方用いることで、より正確な判断ができるでしょう。
要点のおさらい
- PBRは純資産に対しての指標で、株価が割安か割高かを判断するためのものです。
- PBRは1が一つの基準とされており、あまりにも低い場合は、その企業が問題を抱えている可能性があるため注意が必要です。
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PERとPBRは株価を測る指標である点は共通していますが、株価に対して純資産で比べるか、純利益で比べるかが異なります。