「事業譲渡されるときは従業員も一緒に譲渡されるの?断ることはできる?待遇は変わる?」
「退職した場合はの取り扱いは、会社都合になる?」
「従業員が事業譲渡に同意しない場合、どういった方法をとるべきなの?」
事業譲渡は中小企業のM&Aにおいてもよく用いられるスキームですが、
売り手の従業員との関係で問題が生じやすいものでもあります。
原則として買い手は、譲渡事業に紐づいた従業員もそのまま移動してほしいと考えます。
しかし売り手の従業員の視点で考えると、所属する会社が変わるのですから大問題になるわけです。
こうした事業譲渡における従業員の取扱いについては、一度まとめて全体を確認しておく必要があるでしょう。
そこで今回の記事では、事業譲渡における従業員について以下の内容を細かく解説していきます。
- 事業譲渡の流れと、各工程で発生する従業員に関するポイント
- 譲渡従業員の労働契約の取扱いについて
- 譲渡従業員の待遇を具体的にどうするか
- 譲渡従業員に対する買い手の考え方
- 従業員が譲渡に同意しない場合の対応策を検討する3つのポイント
記事も長くなりますが、はじめから1つずつ丁寧に読み進めていくことで事業譲渡における従業員の問題を体系的に理解でき、また細部については具体的な対処法を知ることができる構成になっています。
事業譲渡を成功させるためには従業員の移動をいかに円滑に行うかがポイントとなるため、あなたもじっくりと記事を読んでみてください。
事業譲渡の流れと従業員に関係するポイント
それではさっそく内容に入っていきます。
まずは事業譲渡の全体の流れの中で、従業員に関するポイントがどこにあるのかを確認していきましょう。
またそもそも事業譲渡がどのようなスキームか…についても簡単に説明します。
事業譲渡とは
はじめに事業譲渡がどういった特徴を持つスキームなのかについて簡単に紹介します。
事業譲渡を理解するためには、中小企業のM&Aにおいて事業譲渡とともによく使われる株式譲渡と比較するのがわかりやすいです。
以下の図をみてください。
これが事業譲渡と株式譲渡の違いを図で表したものとなります。
ここにある違いをさらに表にまとめると以下のとおりとなります。
事業譲渡 | 株式譲渡 | |
売り手の取引主体 | 法人 | 株主 |
譲渡の対象 |
事業とそれに紐づく 資産・人材など |
株式 |
契約 | 事業譲渡契約 | 株式譲渡契約 |
つまり… |
特定の事業のみを 譲渡する |
会社ごと渡す |
株式譲渡が会社を丸ごと譲渡するものであるのに対して、事業譲渡はあくまで会社の営む事業単位で譲渡するものなのです。
編集部おっしゃるとおりです。
1人の従業員が複数の事業に関係している場合は厄介ですね。
また事業との紐づきが明白であっても、従業員本人はもとの会社に残りたいと考える場合もあります。
事業単位で会社が分断されるからこそ 事業譲渡では従業員の問題が起こりやすいと覚えておいてください。
事業譲渡の流れ
株式譲渡との違いから事業譲渡の大まかな輪郭をイメージできたでしょうか?
続いては、事業譲渡の流れの中で従業員と関係するポイントを紹介していきます。
ここでは事業譲渡全体の流れをつかむと共に、どういった工程で従業員のケアが必要かをイメージしてみてください。
以下の図は、事業譲渡の流れを示し、それぞれの工程における従業員に関連するポイントを示したものです。
M&Aの中における事業譲渡は以上のように進んでいきますが、いたるところで従業員に関係するポイントが存在していることがわかるでしょう。
一般的に、事業譲渡が行われる旨を譲渡会社の従業員に周知するのは、事業譲渡契約が問題なく締結されてからとなります。
従業員に対する周知が遅いと感じるかもしれませんが、これは契約締結が不確実な段階でいたずらに従業員を不安にさせることを防ぐために仕方がないのです。
しかし従業員の視点から考えると、自分たちへの周知・相談もないまま社長は事業譲渡を決断したのか…と不安や不信感を覚えることになりかねません。
こうして生まれる不安・不信感をぬぐいさるためにも、基本合意の段階から売り手と買い手で従業員に関する取り決めをしっかりと行う必要があります。
編集部売り手の社長は譲渡の対象となる従業員の権利や待遇を守ることのできる立場となります。
そのため買い手との交渉は慎重に進めましょう。
編集部詳しくは後述しますが、原則として買い手も従業員の取りこぼしは避けたいと考えます。
事業譲渡を理由に離職する従業員が増えると、せっかく買った事業を運営することが難しくなるためです。
そのため、細かな条件についての交渉はあれども、買い手が譲渡従業員を不利に扱うことでM&A自体が破談となるケースは少ないでしょう。
大前提!事業譲渡では従業員の労働契約は原則として引き継がれない
事業譲渡の流れと従業員に関するポイントが発生する工程を確認したところで、ここからはより具体的な内容に入っていきます。
先ほどの図で、従業員が買い手会社に移動するためには、従業員本人による個別の同意が必要であると記載しました。
これは事業譲渡においては、従業員の労働契約が自動的に売り手から買い手に引き継がれないことにもとづきます。
そこで、ここでは労働契約の面から従業員の取扱いを解説していきます。
事業譲渡における労働契約の取扱い2パターン
事業譲渡における譲渡従業員の労働契約の取扱いには以下の2パターンがあります。
- 承継型
売り手と買い手で労働契約の承継に合意+労働者本人の同意があった場合に労働契約が承継
- 再雇用型
譲渡従業員が譲渡会社を退職して、譲受会社と新たに労働契約を締結
上記はいずれも譲渡従業員が買い手会社に移動となります。
しかし移動の過程に違いがあります。
承継型では、売り手・買い手・譲渡従業員の三者が合意することで、譲渡従業員と売り手会社が締結していた労働契約がそのままのかたちで買い手会社と譲渡従業員の労働契約になります。
つまり労働契約の内容が変わらないまま、譲渡従業員は買い手会社で働くことができるのです。
一方で再雇用型の場合は、譲渡従業員は「売り手会社を退職→買い手会社と労働契約の締結」というステップをふみます。
そうすることで譲渡従業員が売り手会社と締結していた労働契約にしばられずに、自由な内容で買い手会社と譲渡従業が労働契約を締結できるのです。
編集部実務的な内容となってしまいますが、例えば売り手会社と買い手会社で始業時間が違う場合は再雇用型が用いられるケースが多いです。
承継型で労働契約がそのまま承継されてしまうと譲渡従業員と買い手会社にあらかじめ存在する従業員で始業時間が異なり、不都合なのですね。
経営者なるほど、再雇用型を使うことで労働契約の細かな部分を調整できるわけか。
確かに会社が変わるならば始業時間をはじめとした機械的な契約内容には差があって当然だし、そこは調整しないといけない。
労働契約の引継ぎについての協議の流れ
以上のとおり、事業譲渡における労働契約の取扱いには2つのパターンがあるとわかりました。
しかし当然ながら従業員本人が譲渡に同意しないケースもあります。
そのため、ここでは事業譲渡における従業員の取扱いの4パターンを確認してみましょう。
事業譲渡で労働契約を承継する際は
- 売り手と買い手の合意
- 従業員本人の同意
の2つが必要と解説しました。
つまりそれぞれの合意および同意があるかで、結果は以下の4パターンに分類されます。
売り手と 買い手 の合意 |
従業員 本人 の同意 |
結果 |
○ | ○ | 譲渡従業員はもとの労働契約の内容のまま買い手会社で働く |
○ | × | 以下の2つの選択になる ・労働契約の内容を変えて買い手会社で新たに譲渡従業員を雇用 ・従業員が売り手会社に残る |
× | ○ | 以下の2つの選択になる ・労働契約の内容を変えて買い手会社で新たに譲渡従業員を雇用 ・従業員が売り手会社に残る |
× | × | 以下の2つの選択になる ・労働契約の内容を変えて買い手会社で新たに譲渡従業員を雇用 ・従業員が売り手会社に残る |
このように売り手と買い手の合意、従業員本人の同意の双方がある場合以外は、結局のところ再雇用型を使うか、従業員を譲渡せずに売り手会社に残すかの二択となります。
譲渡従業員が買い手会社に移ることを拒否した場合であっても、それを理由に売り手会社による従業員の解雇はできないため雇用は維持されます。
経営者買い手会社が、喉から手が出るほど欲しい従業員のために破格の労働条件を提示して勧誘することはあるの?
編集部もちろんあります。
しかし一人にだけ破格の条件を提示すると、他の譲渡従業員に不公平な気持ちを生んでしまうリスクも生まれます。
全体の公平を維持しつつ、個別の従業員に対応していくのは難しいのですね。
同意しない従業員がいる場合の対策については記事の後半で紹介していきます。
事業譲渡における従業員の立場と待遇
ここまでの内容で、事業譲渡における労働契約と従業員の取扱いがイメージできたでしょうか?
ここからはさらに契約の内容に踏み込み、事業譲渡における従業員の立場と待遇を細かく確認していきます。
労働契約の引継ぎがされないことによる影響
先ほど紹介した承継型以外の場合、譲渡従業員が売り手会社と締結していた労働契約が、そのまま買い手会社との間に引き継がれることはありません。
そして労働契約が引き継がれないことは従業員の立場を不安定なものにします。
そもそも労働契約には実質的に以下のような様々な取り決めが含まれています。
- 契約期間
- 勤務時間
- 勤務地
- 休日・休暇
- 賃金
- 有給休暇
- 解雇事由をはじめとした退職に関する事項
事業譲渡において労働契約が引き継がれない場合、譲渡従業員には以下のような不満が生まれる恐れがあります。
従業員Aもとの会社の勤務時間は午後4時までだったけど、新しい会社では終業時間が午後6時になるらしい。
これでは子供を迎えに保育園に行くことができない。
従業員B勤務地が新宿の前提で自宅を購入したのに、新しい会社に移ると勤務地が埼玉県になるという。
とてもじゃないが事業譲渡に同意できない。
従業員Cもとの会社では夏季休暇が10日間あったのに、新しい会社では夏季休暇自体がないのか…。
譲渡される事業にはやりがいを感じているけど、新しい会社には移りたくない。もちろん新しい会社に移ることで労働契約の内容が良くなるケースもあります。
いずれにせよ労働契約が承継されないことは、従業員が移動に同意するか否かを大きく左右するのですね。
勤続年数の取扱い
続いては、事業譲渡により従業員が移動した場合の勤続年数の考え方について解説します。
勤続年数は年金、失業保険または有給休暇の内容に影響を与える恐れがあるため非常に重要です。
この点について結論を述べると、買い手会社によって勤続年数を通算するか否かが決まります。
承継型であっても勤続年数を通算しないケースもあれば、再雇用型であっても勤続年数を実質的に通算とする措置をとるケースもあるのです。
こういった点については、売り手と買い手、買い手と譲渡従業員でしっかりと話し合った上で合意もしくは同意をすべきとなります。
退職金の取扱い
勤続年数の取扱いと共通する部分もありますが、事業譲渡では譲渡従業員の退職金の取扱いも問題になります。
譲渡従業員としては「この会社に40年間勤め続ければ退職金として3,000万円をもらえる」という想定のもとにライフプランを設計しているケースがあるので、「事業譲渡に伴って退職金はなしです」では通用しません。
このような事業譲渡における退職金については以下の2つのうちのどちらかの取扱いがされるケースがほとんどです。
・事業譲渡の際に、売り手会社で譲渡従業員の退職金を清算する。
その上で買い手会社において新たな退職金規程に服する
・買い手会社が売り手会社から退職金債務を引き継ぎ、譲渡従業員が買い手会社を退職する際に、
引き継いだ退職金債務の分も合わせて買い手会社が支払う
編集部こういった金銭債務に関する問題は、売り手と買い手の譲渡価格交渉でどうとでもなります。
買い手が退職金の全額を支払う代わりに譲渡価格からその分を差し引くこともできるため、結局は交渉次第なのですね。
ただし譲渡従業員を安心させる必要はあるため、退職金に関する心配がないことは伝えましょう。
退職した場合の取扱い(自己都合と会社都合)
事業譲渡の際、譲渡従業員が売り手会社に残ることも買い手会社に移動することもせずに、売り手会社を退職するケースがあります。
この場合は原則として自己都合退職となってしまいます。
そもそも会社は事業譲渡に同意しないことを理由として従業員を解雇できないため、雇用を維持する努力をするためです。
それにもかかわらず退職を選択する以上、自己都合での退職となってしまうのですね。
一方で事業を譲り渡したことにより会社が空っぽになり、退職せざるを得ない状況だった…というようなケースでは、実質的に会社都合退職と判断されることもあります。
会社都合退職の方が失業保険金を長く受け取ることができるため、こうした細かな点についても従業員が不当に不利な状況に陥らないように細心の注意を払っていきましょう
従業員に対する買い手の考え
ここまで事業譲渡における労働契約と従業員の具体的な取扱いについてみてきましたが、実際のところ買い手はどのようなかたちを望むのでしょうか?
この点については買い手がなぜ事業譲渡を望むのか…から考えていきましょう。
買い手が事業譲渡を行う理由
一般的にM&Aは「時間を買うものである」と言われます。
つまり買い手会社としては、ゼロから事業を成長させるよりも、すでに成立している事業を買いとって発展させていく方が大きな成果を早いタイミングで実現できるのです。
これは事業譲渡であっても変わりません。
裏を返すと、買い手としては事業として成立しないものに対価を支払うわけがないのです。
それならば、自分たちでゼロから事業を作り上げた方がマシになります。
このような「時間を買う」という視点は事業譲渡における多くの買い手に共通するものでしょう。
譲渡の対象となる従業員に対する買い手の思い
以上のように買い手の中には、すでに成立している事業を買うことで事業を成長させる時間を節約したいという思いがあります。
そのため事業を運営するために必要な従業員はなるべく取りこぼしなく、買い手会社に移動してほしいと考えているのです。
そのため譲渡従業員の労働条件をいたずらに不利に変更して、取りこぼしのリスクを高めるのは買い手としては本末転倒になります。
形式的に事業のみを購入しても、それを運営する人材がいないのであれば利益も何もあったものではありません。
編集部人材が足りなければ買い手会社で新しく採用すれば良いと考えるかもしれませんが、その場合は採用費がかかります。
事業譲渡には採用日を節約して、価値ある人材を自社にとりこむ機能もあるのですね。
経営者なるほど。
つまり買い手としても譲渡従業員に過度の負担をかける条件は なるべく避けたいわけか。
離職者が増えると採用日がかさんで、事業から得られる利益を圧迫するものね。
編集部そうなのです。
事業譲渡における売り手と買い手は必ずしも常に敵対する立場ではありません。
むしろお互いの協力で譲渡従業員を円滑に移動させることを望みます。
ただし勤務地や勤務時間など、買い手の既存従業員との関係で調整が難しい項目があるのも事実です。
こうした部分の調整こそ経営者の腕の見せどころですね。
従業員が移動に同意しない場合の対応策を検討する3つのポイント
ここまでくると事業譲渡における従業員の取扱いがかなり理解できてきたはずです。
譲渡の際は売り手・買い手・従業員本人それぞれの思惑が交錯するため、三者すべてが納得のできるかたちを見つけだす努力が必要になります。
長かった記事の最後では、譲渡従業員が事業譲渡に同意しない場合の対応策を検討するための3つのポイントを紹介します。
従業員の中には労働契約の変更に納得できない人物もいれば、そもそもの事業譲渡自体に心理的な抵抗を覚える人物もいます。
そのため事業譲渡に同意しない従業員が現れた場合、まずは以下の手順で具体的に用いる対応策を検討する必要があります。
- 買い手のどの条件が気にくわないのかについて不同意従業員にヒアリング
- 同時に、事業譲渡をする背景を真摯に説明
- 従業員が気にくわない条件について、買い手と再度交渉
- それでも従業員が移動に同意しない場合は、売り手会社で雇用維持(配置転換など)
- 雇用継続が困難な事情がある場合は、従業員に移動か退職かを選択してもらう
雇用継続が困難な事情がある場合は、最終的に従業員に退職も選択肢に入ったかたちの最終判断をあおぐことになります。
これは経営者としても非常につらいことなので、そこに至る前の段階で以下の3つのポイントに注意しながら従業員をケアしていく必要があるのですね。
従業員に大きな動揺があることを知る
第1のポイントは、事業譲渡を聞かされた従業員の動揺を経営者がしっかりと認識することです。
これが譲渡従業員をケアするすべての始まりになります。
想像してみてください。
譲渡従業員の立場になって考えると、これまで長く働いてきて、これからも定年になるまで働こうと思っていた会社から「このたび事業譲渡をすることになったので、あなたは事業とともに新しい会社に移動してください」と言われるのです。
「労働条件は変わらない」「新しい会社は大きいから経済的な安定度は増すはず」と言った綺麗ごとを並べられても、いきなり事業譲渡の話を聞かされた従業員としては「社長に切り捨てられた」という思いを抱くのも仕方のないことでしょう。
編集部こうしたケースは、社長と従業員の結びつきの強い中小企業においてよく見られます。
「切り捨てられた」という思いがあるからこそ、表面的な待遇の話では従業員の気持ちを変えられないのです。
そのため、なぜ事業譲渡をしなければならなかったのかについて真摯に説明を尽くす必要があるでしょう。
真摯な説明と粘り強い交渉をする
真摯な説明と粘り強い交渉によって従業員の中にある心理的な反発を和らげ、移動に同意してもらえるケースがあります。
こうした説明と交渉については、売り手から従業員に対してのみ行うのではなく、買い手からも従業員に積極的に行ってください。
「このたび購入することになった事業は非常に魅力的です」と買い手から言われて、嫌な気持ちになる従業員は少ないでしょう。
売り手には事業譲渡をしなければならない理由があり、買い手は事業に魅力と価値を見出したのだ…と従業員にしっかり伝えることが大切です。
このようにして従業員の中にある心理的な反発を和らげてはじめて、給与や勤務時間といった数字の部分についての交渉をスタートさせることができます。
表面的な条件や待遇だけでなく、労働環境の変化や会社規模の拡大についても説明する
数字の交渉と同時に行うべきは、以下のような数字に表れないメリットを伝えることです。
- 労働環境の改善
- 会社規模の拡大による安定と発展
- 福利厚生の充実
- キャリアパスの変化
事業譲渡で複数の従業員が移動する場合、一人の従業員のみに特別に優れた待遇を用意することは難しくなります。
そのため上記のような数字に表れにくい部分におけるメリットを伝えることで、従業員の離職率を低くできるのです。
このように譲渡従業員の同意を得るための対応策には様々なものがあります。
従業員全員を機械的に処理するのではなく、一人ひとりに合わせた説明と交渉ができると売り手にも買い手にも嬉しい結果を実現できるでしょう。
まとめ
長い記事だったと思いますが最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
事業譲渡は事業単位で会社が分断される側面を持つため、従業員のケアが重要であると理解できたでしょうか?
事業譲渡では従業員との関係で問題が生じやすいとあらかじめ意識しておくだけでも、実際に問題が起きた場合に適切な対処がしやすくなります。
以下は今回の記事のポイントです。
- M&Aの初期段階である基本合意の時点から売り手と買い手で譲渡従業員の取扱いをしっかり相談しよう
- 売り手と買い手の合意、従業員本人の同意があった場合のみ労働契約を承継できる
- 労働契約が承継されないことで、勤務時間や給与が変わるなど従業員の立場は不安定になる
- M&Aには時間を買う側面があるため、買い手が譲渡従業員を不当に扱うことは原則ない
- 事業譲渡に同意しない従業員の気持ちを想像して、真摯に説明と交渉を行おう
あなたがこれまで従業員との間に築いてきた信頼関係は、事業譲渡を行う場合であっても簡単に崩れるものではありません。
そのため、あなた自らが真摯な態度をとることができれば、事業譲渡に理解を示してくれる従業員も増えるでしょう。
M&Aの交渉を開始したときから、事業譲渡契約締結後まで一貫して従業員を思いやり、売り手・買い手・従業員のすべてが幸せになれる事業譲渡を目指してみてください。
「日本経営研究所」は、
M&Aの総合支援を行う企業です
「プラットフォーム」✕「仲介」の
2つのサービスで、
あなたに最適なM&Aが見つかります
-
1.国内最大級の提携事業者数
-
2.安心の成功報酬型の料金設定
売り手様も買い手様も目的に沿った支援を行います
M&Aをお考えの方は、
どうぞお気軽にお問い合わせください【秘密厳守】