企業再生ファンドとは、投資家から調達した資金を活用して、経営不振に陥った企業の経営を立て直す機関です。
企業価値を上昇させた後にIPO（新規株式公開）やM&Aを実施することで差益を得ます。
投資リスクが高い分、成功すれば多額の利益を獲得できます。

企業再生ファンドの解説

経営難に陥っている企業に対して、出資を行ったり、専門家を派遣したりして、企業価値の向上を図ります。
その後、IPO（新規株式公開）や株式譲渡を実施して差益を獲得し、投資家に分配する仕組みです。
ハゲタカと呼ばれることもあります。
対象となる企業は新規事業の失敗や債務超過により厳しい状況に追い込まれているケースが多いため、投資リスクが高いと言えます。
そのため、本業の収益力が高い、もしくは競合他社と比較して優れた技術やノウハウを有している企業を慎重に選定して投資するのが一般的です。
代表的な手法としては、既存事業の方向性を転換して再生を狙うターンアラウンドと、
リストラや企業の規模を縮小することで再生を図るワークアウトが挙げられます。

企業再生ファンドを利用するメリット

事業承継と再生を同時に実施できる

質の高い企業再生のノウハウを存分に活用し、事業承継と企業再生を同時に実現することが可能です。
また、M&Aにおける買い手企業とのネットワークを豊富に有しているため、後継者が不在である企業でも買い手を見つけられる可能性が高まります。

バイアウトファンドとの違い

投資対象が異なる

バイアウトファンドとは、投資家から調達した資金を企業に投資すると同時に経営に関与し、企業価値を向上させてから株式を売却することでリターンを得るファンドです。
一見すると事業再生ファンドと変わりませんが、投資対象が成熟企業である点が最大の違いです。
成熟企業に投資を行うためリスクが低い点がメリットですが、その分、事業再生ファンドと比べると見込める獲得利益が小さくなります。

要点のおさらい

• 企業再生ファンドとは、投資家から集めた資金を運用することで経営が厳しい企業の経営を立て直すファンドです。
• 企業再生ファンドを利用することで、質の高いノウハウや豊富なネットワークを活用して事業承継やM&Aを実施できます。

• バイアウトファンドの投資対象は経営不振に陥った企業ではなく成熟企業です。