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改正・事業承継税制でメリット拡大!要件をわかりやすく解説

改正後の事業承継税制について解説します

 

事業承継税制とは、経営承継円滑化法に基づく認定のもと、会社や個人事業の後継者が取得した一定の資産について、贈与税や相続税の納税を猶予する制度※です。

今回は、オーナー経営者様に向けて、改正後の事業承継税制について分かりやすく解説していきます。

※事業承継税制特集|国税庁より

改正後の事業承継税制とは事業承継税制は平成30年に大きく改正がなされました。

改正の背景、内容、適用時期、メリット・デメリットについて順を追って確認していきましょう。

 

改正の背景


日本は高齢化社会が問題となっており、事業承継が社会的な問題となっているのはご存知のとおりです。

この問題を解決するべく、平成20年にスタートしたのが事業承継税制です。

しかし、制度は始まったものの、実際に事業承継税制を申請した事業者は年間400件程度※とわずかでした。

事業承継税制の申請を増やすために、平成30年の改正にて、特例措置を時限的に創設し、事業承継をより強力に推進することにしました。

 

事業承継税制の歴史


※中小企業庁資料「事業承継・創業政策について」

 

改正の内容


改正後の事業承継税制により、下記の点で大きく変更がありました。

 

  • 納税猶予の対象となる株式数と相続税の猶予割合
  • 納税猶予の対象となる先代経営者数と後継者数
  • 後継者が、事業売却する際の評価額の計算方法
  • 後継者の雇用者の維持要件

 

改正前と改正後の具体的な内容の比較は下図のようになります。

 

事業承継税制の改正前と改正後の内容比較

 

適用時期


事業承継税制による贈与税・相続税の納税猶予を受けるためには、下記の2点が必要です。

 

  • 2018年4月1日~2023年3月31日までに、都道府県庁に「特例承継計画」を提出していること
  • 2018年1月1日~2027年12月31日までに、贈与・相続(遺贈を含む)により自社の株式を取得すること

 

特例承継計画の提出と実際の株式譲渡を行うタイミングに、時期の制限が加わっており、時限立法であることが確認できます。

この時期を逃すとこの特例は適用できないことに留意が必要です。

 

事業承継税制メリット


改正後の事業承継税制のメリット・デメリットは下記のとおりです。

メリット

  • 事業承継時の贈与税・相続税を実質的に0円にすることができる
  • 以前は事業承継時に自社の株価を低くする対策(費用の積み増しなど)が必要であったが、改正後は緩和された
  • ある程度若いうちから事業承継させるモチベーションに繋がる

 

オーナー経営者事業承継を進めるにあたり、とても有利な制度ができたのですね。
事業承継は先のことと考えていたのですが、そろそろ真剣に考えなければと思いました。

編集部はい、特に事業承継税制の特例措置は時限立法ですので、期限を過ぎると適用できなくなってしまいます。
時間切れになってしまう前の対応が必要です。

 

 

事業承継税制の適用要件


ここからは事業承継税制を実際に適用できるかどうか、具体的な適用要件を確認していきます。

 

オーナー経営者の要件


オーナー経営者側に必要な主な要件は下記のとおりです。

 

  • 贈与の直前まで、会社の代表権を有していたこと
  • 贈与の直前まで、オーナー経営者またはオーナー経営者一族が有する議決権が50%超であること
  • 後継者を除くオーナー経営者一族の中で筆頭株主であること

 

年齢制限なく、オーナー経営者であれば基本的には誰でも適用することができます。

注意すべきは、議決権要件と筆頭株主要件です。

議決権要件と筆頭株主要件を満たさない場合、第三者から株式譲渡などの方法により株式を集める必要があります。

 

後継者の要件


後継者側に必要な主な要件は下記のとおりです。

 

  • 贈与の直後に、会社の代表権を有していること
  • 贈与の直後に、一族で議決権の50%を有していること
  • 贈与の直後に、筆頭株主であること(後継者が複数の場合は2位、3位でも可。ただし最低10%の議決権割合は必要)
  • 20歳以上
  • 引き継ぐ会社の役員就任後、3年経過していること

 

後継者の要件で注意すべきは、20歳以上という年齢制限があることと、役員就任後3年以上経過する必要がある点です。

急に外部から第三者を招へいし、事業を引き継がせるといった場合には、事業承継税制は適用できません。

 

オーナー経営者いずれは息子に会社を継がせたいと思っていましたが、先に役員にしなければならないのですね。
しかし、まだ事業経験が浅く役員にするのは不安に思ってしまいます。

編集部事業的な判断がまだ難しいといった場合、監査役に就任させることが実務上では行われています。
役員の定義は取締役、監査役、会計参与ですので、タイミングを見て適切な役職に就任させる必要があります。

 

 

息子(娘)への事業承継のイメージ

 

手続の要約


事業承継税制の手続を簡単に要約すると下記の流れとなります。

 

  1. 特例承継計画の作成
  2. 特例承継計画を都道府県知事に提出
  3. オーナー経営者の代表者交代
  4. オーナー経営者から後継者への株式の贈与
  5. 都道府県知事に認定申請し、認定書を受領
  6. 贈与税申告

 

特例承継計画は、特定経営革新等支援機関の指導及び助言を受けた旨を記載する必要があります。

特定経営革新等支援機関は、税理士、会計士、行政書士、弁護士、中小企業診断士、監査法人、商工会議所など様々な種類の機関があります。

認定を受けている機関は中小企業庁のウェブサイトに開示されていますので、確認をするようにしてください。

全国の認定経営革新等支援機関

また、特例承継計画が具体的にどのようなものかという点についても、中小企業庁のウェブサイトに開示されており、サービス業、製造業、小売業ごとに記載事例が載っています。

特例承継計画

 

 

事業承継税制は内容が複雑なため、専門家に相談すべき


以上、簡単に改正後の事業承継税制について解説してきました。

一方で事業承継税制は、法律条文が複数にまたがっており、完全に理解するには困難なものとなっています。

そこで、事業承継税制については税理士などの専門家に必ず相談すべき事項となります。

この制度が使えるのは一度しかありません。きちんと、事前に綿密な計画を立て実行すべき問題となります。

また、事業承継税制は息子、娘や親族など後継者が決まっている場合は良いですが、後継者候補にその気がない場合や後継者がいない場合は、第三者への引継ぎも考えなければなりません。

第三者への事業承継を考えられている場合は、M&A支援の「スピードM&A」にご相談いただくことも可能です。

第三者承継であれば、事業承継税制のように事前に計画を立てて長い時間をかけて承継していくものではなく、早ければ数カ月で事業承継が完了します。

 

オーナー経営者
親族への事業承継と第三者への事業承継では、具体的に何が異なりますか?

編集部第三者への事業承継の場合、基本的には今回説明してきた事業承継税制の特別措置は適用することはできません。
通常のM&Aのように、株式譲渡によって事業承継することが通常です。
第三者への事業引継の場合、高く会社を評価してくれる買手が現れる可能性がある、取引期間が親族への事業承継よりも早い、オーナー経営者様に現金収入が得られるといったメリットがあります。

 

 

族と第三者への事業承継の違い


スピードM&Aには、事業承継、M&Aに詳しい専門家が多数在籍しておりますので、お気軽にお問い合わせ頂けましたら幸いです。

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