しかし、事業承継やM&Aは金銭的にも時間的にもコストがかかりますし、理解するためには専門知識が求められます。
この記事では、自社の事業承継やM&Aを意識し始めた方に向けて、初学者におすすめの事業承継やM&Aを学ぶ書籍を紹介します。
事業承継を学ぶ上で書籍は有効なのか
オーナー事業承継やM&Aについて書かれた書籍はたくさんあるけど、それらの書籍を読むことで何かメリットはあるのかな?
編集部基礎知識が身につく。というのが最大のメリットですが、それ以外にも『自社に当てはめて考えながら読む』ことで、実際に事業承継やM&Aを行う際の予行演習ができるのが大きいかと思います。
とはいえ、オーナー様が仰るとおり、書籍だけで事業承継やM&Aについてすべて理解しようとするのは、難しいことですね
ケースバイケースになりやすく、実際に事業承継やM&Aに携わった経験がなければ、ノウハウは学びにくいと言えます。
しかし、事業承継やM&Aの分野は法改正や制度の改正が活発に進んでおり、利用できる制度も増加してきているのです。
そのため、今後の動向を押さえたり、事業承継やM&Aの基礎知識を身につけるために書籍を読むのは非常に重要。
事業承継やM&Aを考えている企業の経営者が書籍を読んで全体像を押さえておくことは、事業承継やM&Aを成功させるための第一歩とも言えるでしょう。
書籍を選ぶ上で注意すべきポイントは?
オーナーなるほど、確かに言われてみれば事業承継やM&Aについて理解しているつもりでも、説明できるほどに定着しているかと言われれば、難しいなぁ
編集部そうですね。さらに言えば、事業承継やM&Aとは無縁のまま経営して来られた方も多くいらっしゃるでしょうから、まずは初学者向けの入門書から手にとってみるのが良いと思います。
事業承継やM&Aを書籍で学ぶ際は、やみくもに書籍を読み込めば良いわけではありません。特に初学者にとっては、慣れない専門用語が頻出したり、法令の知識がなければ読み解けない記述が多かったりすると、途中で読むのが苦痛になってしまいます。
- 事業承継やM&Aの書籍を手に取る際のポイント
- 事例や図解が豊富な書籍を選ぶこと
- 出版年月日が新しいものを選ぶこと
- 事業承継やM&Aの全体像が学べること
- 自社が事業承継を行う場合を想定しながら入門書を読むこと
今回は、これらのポイントに沿って事業承継士が書籍を厳選し、ご紹介します。
まずは、事業承継の知識を手に入れるために読んでおきたい入門書から見ていきましょう。
事業承継士とは”会社の理念/儲かる仕組み/独自のノウハウ/企業文化を承継し、後継者による更なる成長を図ることです。事業承継士は、これらの諸問題を総合的に解決することのできる唯一の資格です。”
一般社団法人事業承継協会
事業承継の知識を得るために読むべき入門書
事業承継の入門書としておすすめなのは、以下の2冊です。事業承継のツボとコツがゼッタイにわかる本
事業承継の大枠をゼロから解説してくれる優れた教科書として活用できます。
図解も多く、初学者におすすめの一冊です。
事業承継を検討している経営者や後継者はもちろん、これから事業承継やM&Aを通して起業を支援する側に回りたい、と考えている方にもおすすめ。
事業承継の安心手引 2020年度版
事業承継を進める上で必要な手続きや要件はもちろん、株価や退職金などの扱いについても紹介しているので、実際の事業承継をイメージしながら読み込めるおすすめの入門書です。
改正された税制や制度についても盛り込まれているので、近年の動向についても押さえられる一冊。
これから事業承継を学ぶ方にうってつけの書籍と言えます。
事業承継の論点ごとに細かな知識を学ぶ
事業承継は様々な手続きが必要になりますが、それぞれに複雑な論点が存在します。ここからは、大きく「財務まわり」「後継者教育」「個人事業の場合」に論点を切り分けて、それぞれのジャンルを学ぶ上で役立つ書籍を見ていきましょう。
<財務まわりを学ぶ>承継と相続 おカネの実務
事業承継で重要な自社の株価をコントロールする方法や、黄金株の活用法、退職金の確保に至るまでをカバーした一冊。
非公開株式の扱いについて、ゼロから学びたいという方にはぜひおすすめしたい書籍です。
<財務まわりを学ぶ>いちばんわかりやすい! 新事業承継税制のかしこい使い方
事業承継を成功させる上で活用したい「事業承継税制」に焦点をあてて、詳しく解説している一冊。
事業承継にかかる相続税や贈与税を0円にできる事業承継税制を理解・活用して、事業承継をもっとスムーズに完了させましょう。
<財務まわりを学ぶ>後継者の鉄則 (成功する事業承継)
後継者教育の良し悪しによって事業承継の成功率は大きく変動します。380人以上の後継者教育に携わった著者が論じる本書を読めば、後継者教育の糸口を掴み、自社にとって最適な後継者教育のカリキュラムのヒントが手に入るはずです。
<後継者教育を学ぶ>後継者・右腕経営者のための事業承継7つのステップ
事業承継を研究する大学教授や中小企業診断士が後継者の視点に立って論じた本書は、ぜひ後継者候補となった方に読んでいただきたい一冊です。
知的資産や経営理念、従業員の教育に至るまでを解説。
経営者として独り立ちする上で寄る辺となる知識が詰まっているので、事業承継前に一読することをおすすめします。
<個人事業主向け>個人版事業承継税制のポイントと有利判定シミュレーション
個人事業主の事業承継は法人の場合とは少し手順や使える制度が異なります。
個人版の事業承継税制の概要や使い方に加えて、小規模宅地等の特例についても紹介している本書を読めば、個人事業主が事業承継に臨む上で押さえておきたいポイントがまるごと理解できます。
<個人事業主向け>徹底比較! 個人版事業承継税制・小規模宅地特例の活用マニュアル
個人版の事業承継税制や小規模宅地特例について、わかりやすく解説している本書は、初めて事業承継に臨む個人事業主の方におすすめの一冊です。
事業承継税制や小規模宅地特例とはどのような制度なのか、という全体像から紹介してくれるので、入門書としても手にしておきたい書籍といえるでしょう。
周辺知識としてM&Aについても押さえておきたい方へおすすめの書籍
ここまで事業承継に焦点を当てて書籍を紹介してきましたが、ここからはM&Aについてもおすすめの書籍を紹介していきます。親しい分野である事業承継とM&Aは、一緒に勉強することで知識の結びつきが強くなり、より広い視野で自社の経営や今後の選択を検討できるようになるでしょう。
中小ベンチャー企業経営者のための”超”入門M&A
大企業だけが行うもの、という認識からいまや中小企業でも経営戦略の1つとして注目されるM&A。
本書は、M&Aアドバイザーとしての経験を持つ著者が、中小企業やベンチャー企業の視点から、初学者向けにM&Aを解説した一冊です。
買い手、売り手双方の立場からM&Aの有用性やポイントを紹介しているので、M&Aの初学者にぜひおすすめしたい書籍となっています。
M&Aがわかる(日経文庫)
M&Aを実行する目的や得られるメリット、プロセス、法律などM&Aについて押さえておきたいポイントを網羅した入門書。
M&Aに関する基礎知識を手軽に身につけたい方におすすめしたい一冊です。
基礎知識を書籍で学んで事業承継を成功させる
オーナー事業承継やM&Aについてはすこし及び腰になっていたけれど、分かりやすそうな書籍を買って学んでみようかな、という気持ちになれたよ。
編集部それは何よりです。まずは読みやすそうなものからスタートして、その中で興味のある分野や、気になったポイントについて詳しく解説している書籍を読み進めてみるのがよいと思います。
事業承継やM&Aは専門用語が多く、はじめのうちは読み解くのに苦労するかもしれません。しかし、近年は事業承継やM&Aの人気が高まったこともあり、入門者向けの書籍も数多く発売されています。
本記事で紹介したものを参考に、事業承継やM&Aの基礎知識を身につけて、自社の今後に活かしていきましょう。
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