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M&Aコラム

COLUMN

M&Aで買い手企業はDD(買収監査)をどう進めれば良い?

M&Aを検討しているが、DD(買収監査)の内容や実務がどのように進むのか分からない、

といった声が良く聞かれます。

今回は、M&Aの実際の実務でDDがどのように行われるのか、

重要事項が発見された場合はどうなるかについて解説していきます。

 

 

 買収監査の進め方


買収監査は大きく下記の図のように3つのステップで進められます。

 

 

それぞれ詳細を確認していきましょう。

 

専門家への依頼


DDを実施することを決めた次にすることは、専門家へ依頼することです。

DDは会計税務、法務、人事、システム、ビジネスなど様々な種類があります。
 
専門家へ依頼することが多いのは、会計税務、法務です。

会計税務は会計事務所やFAS(financial advisory service)への依頼、法務は法律事務所に依頼します。
 
ここで重要な点は2点あります。

 

  • 何をポイントにDDを行うかを予め専門家へ伝える
  • 相見積もりをとる

 
DDのポイントがずれてしまえばいくら専門家といえども、

きちんとリスクを図るようなDDを行うことができません。
 
また、相見積もりをとることで極端に高い専門家へ依頼してしまうことを防止することができます。

依頼する専門家が決まった後は、専門家と業務委託契約書を締結し次のステップへと進みます。

 

会社購入希望よく分かりました。
でも、専門家はどのように探せばよいのでしょうか?

編集部まずはあなたの顧問税理士さんや顧問弁護士にご相談してみるのがお勧めです。
M&Aを実施したことのある友人経営者に聞いてみるのも良いですね。

 

 専門家のDD実施


 専門家はDDを実施するにあたり、まずは対象会社への依頼資料リストを作成します。

依頼資料リストをもとに対象会社は資料収集を行い、専門家へ渡します。
 
専門家は資料の分析や経営者へのインタビューを行いながら、DDレポートを作成していきます。
 
DD実施期間は、案件の大きさにもよりますが、1週間~4週間の間程度となることが通常です。

この期間は、DDが始まる前の業務委託契約書に明記されますが、

このフェーズで買い手が行うべきことはきちんとスケジューリングを行うこと、

買い手であるあなたも専門家と同様に資料に目を通し案件に対する理解を深めることです。

 

 DDレポートの受領


 専門家は、DDを実施しながら買い手への報告レポートを作成します。

DD終了後に買い手へ報告会を実施し、大きなリスクはなかったのか、

大きなリスクがあった場合はどのような内容なのか、

またリスクへの対応策は何かについての報告をもらいます。
 
買い手はその報告に疑問があれば必ず質問し回答をもらうようにしましょう。
 
また、DDの結果、新たな論点が見つかり、追加DD手続きが必要となる場合もあります。

いずれにせよ、買い手は専門家から受領したレポートをもとに、この買収を進めるべきか、

契約書はどのようなものとするべきかなどに関して判断する必要があります。

DDレポートを受領した後の実務上の流れは下記のとおりです。

 

 

会社購入希望会計税務や法務に全く詳しくないのですが、
DDレポートを理解できるか不安です・・・

編集部分からないことがあれば、専門家に臆せず質問するようにしましょう。
分かった気になるのが一番危険です。
ご自身が納得できるよう専門家に分かりやすく説明してもらうべきです。

 

 

重大な発見事項があった場合


専門家のDDにて重大な発見事項があった場合、買い手は具体的にどうすれば良いのでしょうか。

 

条件交渉


まずは条件交渉を行うべき場合です。

例えば、売り手から開示された財務諸表では当期純利益2億円でしたが、

専門家のDDの結果、正しくは当期純利益1億円だった場合や、

貸借対照表に土地2億円が計上されているが、

きちんと時価評価を行った結果1億円が正しい場合などが当てはまります。

例えば、下記のような状況の場合です。

 

 
買い手は、対象会社の評価を利益や純資産をもとに計算し、

投資が回収できるかを綿密に計算したうえでDD実施を判断しているはずです。
 
そのため、上記のような場合は対象会社の評価にも重大な影響を及ぼし、

今までの価格で買収してしまったら投資回収不能リスクが高まります。
 
買い手は売り手に対して可能であれば、DD結果をもとに条件交渉をするべきでしょう。

もちろん、必ず交渉すべきではありません。

交渉状況、今までの関係性、DD結果など総合的に考えて、交渉するべきかどうかを考えるようにしましょう。

 

 株式譲渡契約書への反映


 次に重大な発見事項の内容が条件交渉でなく、

株式譲渡契約書(または事業譲渡契約書)の内容に織り込むべき内容だった場合です。
 
株式譲渡契約書への反映パターンは下記のように3通りあります。


(1)表明保証とする


表明保証とは、売り手が買い手に対して対象会社の情報に対して、

情報が真実であることを真実かつ正確であることを表明し、内容を保証することです。
 
表明保証に違反した場合は、損害賠償の対象となるような条文を入れることが通常です。

例えば、簿外負債がないこと、

訴訟を起こされていないことなどは表明保証として入れられることが多いです。
 
DDの重大な発見事項といえばそのとおりだが条件交渉をする程度ではない場合、

正しいか間違っているのか不透明な場合などに表明保証とするケースが多いです。


(2) 売り手の義務とする


株式譲渡契約書は、買い手と売り手に義務が課されることが多いです。
 
過去に重大な組織再編を行っているが、

実際は取締役会決議を行っているが取締役会議事録がない場合など、

商事法務の観点から手当をする必要があります。
 
上記のような場合には、きちんと該当する取締役役会議事録を作成するといったことを、

売り手の義務とすることが考えられます。


(3)実行の前提条件とする


株式譲渡契約の締結=買収完了ではありません。

契約日と実行日は同日になることもありますが、

契約から1週間後、1か月後と離れた日付になることもあります。
 
実行日とは、買い手は買収代金を支払い、売り手は株式を譲り渡す日のことを意味しています。
 
例えば、DDの重大な発見事項として、行っているビジネスに必要な金融庁の許可が得られていなかった、

といったものがあったとしましょう。

ビジネスの継続性に大きな問題がある発見事項であり、

仮に許可を得られなければ買収後、ビジネスを続けられないといった恐れがあります。
 
このような場合、契約の実行条件として、

金融庁の許可を得ることと株式譲渡契約書に反映させる方法があります。

この条件を入れることで、契約はしたが金融庁の許可を得るまで実行されないため、

安全な状態であることを確かめたのちに買収を完了させることができます。
 
以上の実務の流れをを簡単に要約すると下記のような流れとなります。

 

 

交渉決裂


DDの結果、条件交渉も株式譲渡契約書への反映も難しければ、

交渉決裂とならざるを得ない場合もあります。

今までDDにかけてきた時間とコストが無駄になってしまうため、

何としても実現したい、そのような気持ちは分かりますが、投資回収できない買収ほど意味のないものはありません。
 
例えば、買収資金よりも多額の未払税金があることが判明し投資対効果が見込めなくなった場合や、

損害賠償を起こされており敗訴可能性が高く

多額の損害賠償金を支払う必要がある場合などは交渉決裂要因となりえます。
 
また、実務上のポイントとしては、買い手は売り手や仲介会社に対してきちんと合理的な理由を説明したうえで、

契約は結べない旨を説明するべきです。M&Aの世界は狭い世界ですので、

買い手としての評判を落としてしまうと、次回以降、良い案件を紹介されづらくなってしまいます。

きちんとした対応をしたうえでディールをクローズさせることが大切です。

 

 

買収監査は買収失敗のリスクを抑えられる


上記の流れのとおりDDを実施することにより、買収のリスクを抑えることができます。

DDで重大な発見事項があったとしても実務で対応できてしまう場合がほとんどです。

きちんと専門家と相談すれば、

DDの結果に適切に対応できることが多いため、買収失敗を過度に恐れる必要はありません。

買収を実際に考えており、DDのイメージが付いた方は、次のステップとして買収ニーズの登録がお勧めです。

買収ニーズとして業種、エリア、予算金額を登録いただくと、

あなたにお勧めの案件がレコメンドされるようになります。

M&Aはスピード勝負とも言われます。

買収ニーズを登録して、競合に案件を取られないよう行動されてはいかがでしょうか。

 

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